愛情不足

私の父の話です。

私の父は10人兄弟の9番目の子でした。

詳しいことは知りませんが、口減らしに子供のころから働きに出されたり、

そこで気に入られず、帰されては 役立たずと叱られたりと辛い子供時代を送ったそうです。

父は完全な愛情不足。

今でいうアダルトチルドレンでした。

私の記憶にある父はいつも酒を飲んでいました。

いや、仕事はしていました。職人です。

ただ、人と上手に付き合えない・・・というか酒の失敗を繰り返すので

どこかに属してもうまくいかず、結局は一人でやっていました。「二日酔いで休むのはしょっちゅうだったけど)


酒を飲んでは眠りにつくまで母に絡む。

毎日、毎日。

母は書道の師範でしたので教室をやっていましたが、

俺より習字の方が大事なんだろう! とか本当に馬鹿みたいなことで

絡んでた。

母は散々苦労させられていたので父に優しい言葉をかけるなどということは

なかったように思う。だから父はますます、しつこい。

高校生くらいになった私は母に

適当におだてたり、優しい言葉でもかけとけば機嫌いいんだから

もっとそうしたら?などと言っていたのを覚えてる。

なぜなら父の扱いは私が一番上手だったから。

兄は相手にしていなかったし。


今になって思えば “娘”である私は父を適当に扱えても “妻”である母は感情的に

難しかったのだろう。


兄も私もそれぞれ結婚し、父も年をとり酒も弱くなって酔い方はますますひどくなっていった。

昼間から酔っぱらい、酔ってない時でも ボケた?と思えるような行動が少しずつで始め、(酔ってる時と見分けがつかない)

半年に6回事故を起こし(たいしたものではないが)

家を抵当にサラ金に手を出し、

ある日母が外出から帰ったら、母が友人からもらった人形に包丁がささっていたそうだ。

話しを聞いて危険に感じた私は母に家を出るよう勧めた。

その後、兄にも同じことを言われ、母が家を出たその日に家に火をつけ(ボヤで済んだみたいだが)

私に電話をかけてきた。

家に火をつけた。やけどして動けない。救急車を呼んでくれ。


しかし私は酔った声でそういう父の言葉を信じなかった。

結局自分で救急者を呼んで病院に運ばれた。

やけどは火で、じゃなくばらまいた灯油でやけどのような状態になったものである。


治療の間、みんなでアル中患者のための病院を探し、退院と同時にそちらへ入院させる。


3か月しか入院させてもらえない。入院中に今後のことをみんなで相談。

母は離婚を決意し、退院した父は兄が引き取った。

しかし兄の奥さんと合わず、家を飛び出し、一人生活保護を受けながらアパートにくらし、

一人で死んでいった。



私はかわいそうな父を思い泣いた。


途中何度も私のところに来たいと言った父。

しかし、父が来たらめちゃくちゃになるとわかっていた私は

冷たい娘だと思いながら、拒否し続けた。

私には守らなければいけない家族があった。

三男が生まれたばかりの頃だった。


父が死んで悲しいというより、父の人生を思うと可愛そうでたまらなかった。

母は、離婚しなければもっと生きていたかしら と言った。

私は でも、お母さんがお父さんを捨てたのじゃなくて、

お父さんが私たちを捨てたのよ。と言った。

家族の愛情を父はわかっていなかったからだ。



私が子供に愛情を伝えることが大切だと強く思うのは

この父を見ているからでもある。

愛情不足で育った子供がみんなこうなるわけではなく、

自分でしっかり、または周りの愛情によって乗り越える人も大勢いるだろう。

しかし、それは容易なことではない。

愛情不足、その上 おまえはダメな奴だと言われ続けた呪から
抜け出すのは相当大変なことなのだ。

愛してくれる人がそこにいても

それに気づけなくなってしまうのだ。


だから、なんにも出来なかったとしても

その存在自体がすごく価値があることを子供に教えていきたいのです。

あなたがそこに 存在していることが私の喜びであるということを。

それぞれが たった一人の大切な命だということを。


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コメント

空飛ぶミケ猫 #-

こんばんは

『父が死んで悲しいというより、父の人生を思うと可愛そうでたまらなかった。』
そう、ホントに切ないほど可哀想な人生でしたね。

おそらく小さい頃に刷り込まれた自己否定的な思いが心を荒ませたんでしょうね。

もとはと言えば、お父さんの親の責任が大きいんだと思いますが、
きっと昔はそういうことが多くあったんでしょうね。

何ともやりきれない、切ないお話です。

海のいるかさんが日々心がけているように、私たちはそこから学ぶ必要がありますね。

一人悲しく亡くなっていったお父様のご冥福をお祈りします。

2009年03月30日(月) 22時07分 | URL | 編集

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2009年03月30日(月) 22時17分 | | 編集

ウッチィ #-

・・・気楽にのぞいてみたら、結構重いお話で。。けど、全部読んでしましました。

親に愛情を注がれなかった子供は、自分の子供にどうやって愛情を注げばいいのか分からず、負の連鎖が起こるみたいですよ。
それでも、まっすぐに育つ子供たちって強いなぁと思うし、そう育てた母親ってすごいんだなぁと思いました。
生意気言ってすみません。。

2009年03月31日(火) 01時44分 | URL | 編集

ドントコイ #-

そうかぁ。お父さん、愛情のかけ方も、愛情を受け取る方法も分からなかったのですね。
奥さんの愛情を受けていたのに、その自信がなかったのは、辛かったでしょう。奥さんも、いるかさんたちも、お父さんを愛しても、信じてもらえないのは、辛かったでしょうね。
小さい時に、愛情を貰えないってことが、どこまでも人を‘可哀想な人’にしてしまうなんて・・・・。
悲しいことです。生きるためにしかたがなかったんだと言われれば、そうかぁ、としか言えませんが・・・。

いるかさんのお母さんは、いるかさんや、お兄さんにすごく愛情を注いでいたんですね。だから、いるかさんも愛情いっぱいなんですね。辛い中で、立派な人ですね。
私はお姑さんと同居しています。娘(義姉)さん達の誰かと住んだほうが、お姑さんは楽しいと思いますが、遊びに来てくれたり、「泊まりにおいで」と儀母をよんでくれるけど、一緒に住もうとは言わないですよ?でも、色々とひっくるめて、そういうもんだと思いますよ?

ひとを愛すること、愛されることは、素晴らしいですよね。「気持ちが気持ちいい」ですもんね。

あの世に行ったお父さんは、もう、分かったと思いますよ?自分が、奥さんと子供達に、今もたくさん愛されてるってことを。

昨日の続きを少しだけ。
過干渉は良くないけど、過保護は良いって本で読んだことあります。甘やかすのはよくないけど、甘えさすのは良いことなんですって。この差って、微妙で難しいけど、そういうことなので、‘いいんです!’(ぜひ、かびらさん口調で読んで下さい)

2009年03月31日(火) 02時39分 | URL | 編集

海のいるか #-

★空飛ぶミケ猫さん

いつもありがとうございます!!
父は典型的な貧乏人の子だくさんの家庭だったようです。末っ子である弟はかなり可愛がられていたようなので、余計つらかったようですね。
昔のことですから、そういうこともめずらしくはなかったのかもしれませんが
かわいそうな人でした。
亡くなった後、アパートを片付けに行ったら、晩年書いたらしい絵などが出てきて私ははじめて父は絵が上手だったことを知りました。(スケッチブックは私が持ち帰りました)
愛情不足、自己否定は本当に一生を左右してしまうくらい深刻なんですね。
自分が愛されている存在であるということを知るのはとても大切なことなんです。

2009年03月31日(火) 06時53分 | URL | 編集

海のいるか #-

★鍵コメさん

困ったお父さんというのは
けっこういるんですよね。
で、たいていの場合妻である母は心の中で見離していたりする・・・。
娘である鍵コメさんが板挟みってわかるなー。
私も家にいたころはそんな感じだった。

命の大切さ、お母さんはわかってるけど、つい言ってしまうんだろうね。
でも、聞きたくないよね。

大変だと思うけど
鍵コメさんはお父さんにとって唯一の味方で甘えてるのかも知れないよね。
おもりも楽じゃないけどね(苦笑)

ありがとう!!

2009年03月31日(火) 07時02分 | URL | 編集

海のいるか #-

★ウッチィさん

コメントありがとうございます!
母はいつも明るく接してくれました。
私の中で甘え足りていない部分というのは未だに心のどこかにくすぶってはいますけど、母の愛はいぱい感じています。
そうですね、負の連鎖にならなかったのは母のおかげですね。

よかったらまた遊びに来てくださいね。
ブログをお持ちなら私も伺いたいのでURL教えてもらえると嬉しいです(^^)

2009年03月31日(火) 07時11分 | URL | 編集

海のいるか #-

★ドントコイさん

父は愛情というものがよくわからなかったんですね。
母に対しては愛情というより執着していたように思います。

そうですね、母は愛してくれました。
いつも明るく接してくれました。融通はききませんでしたけど(笑)

うん、愛されること、愛することは気持いいね。

そうか いいんです ね(^^)
いつもありがとう!

2009年03月31日(火) 07時22分 | URL | 編集

ぽちちょ #-

愛情って、難しいですね。
もしかしたら、ウチの夫もACなのかな?
漠然とした感覚ですけどね・・・
「父親としての愛情」を、いっぱい表現していますけど。
どうも無理しているのでは?って思う事も多くて。
義母は外面いいんで、実態がわからないんですよ。

私も上手くカバーしていけたらいいなと思っています。

2009年03月31日(火) 11時43分 | URL | 編集

海のいるか #-

★ぽちちょさん

お返事書く前にそちらへうかがったので、お姑さんに対しての先入観が(苦笑)
旦那さん、例え無理してるところがあったとしても
愛情表現をしているのなら、きっと本物になってくると思いますよ。
お互い、おだてながら旦那育て、がんばりますか(笑)

2009年03月31日(火) 14時11分 | URL | 編集

きばっ太姉ちゃん #-

こんにちは

うちの父親もアル中でしたので、海のいるかさんの状況がなんとなく分かります。
祖母は祖父と離婚し、5人の子どもを女で一つで育てないといけなかったため、父も幼い頃からの愛情不足があったと思います。
仕事もお酒でうまくいってなかったし・・・。
そんな父を私や母は馬鹿にしていたと思います。知的障害者の姉だけが父を慕っていました。
今思えばすごく父という人間に対して失礼だったと思います。
父は私が中1の時に自殺してしまいました。悲しかったけれど、ホッとしたのも事実です。これで母が叩かれることもなくなるし、絡まれることもない。その頃、幻覚症状もあり海のいるかさんのお父様ではないけれど、鎌をもって入ってきたことなどがあり、身の危険を感じることもありました。
しかし、年齢を重ねるにつれ、父の寂しさやもどかしさに思いをはせることができるようになってきました。
もっと私たちに愛情があれば父も死ななかったのかな・・・と考えることがあります。
でも、もう遅いんです。父はもういませんもの・・・。人は失った後、『こうすればよかった』って思います。父にはもう何もできませんが、海のいるかさんが書いていらっしゃるように、父の死から得たことを教訓に子ども達や周りの人にお返ししていきたいと思います。

2009年03月31日(火) 15時44分 | URL | 編集

海のいるか #-

★きばっ太姉ちゃん さん

ご訪問&コメントありがとうございます!!

中学生ではお父様の寂しさはわからなかったでしょうね。私が中高生のころ父の相手をしていたのは
私が相手をしていれば母がからまれずに済むからで、心の中ではやはり軽蔑していました。
大人になって、父の寂しさがわかるようになっても
私には何もしてあげられなかった。
きばっ太姉ちゃんさんと私は似たような思いを持っているかもしれませんね。

子供たちにはしっかり愛情伝えていきたいですよね!!

よかったら、また来てくださいね。
私も伺います(^^)

2009年03月31日(火) 20時02分 | URL | 編集

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2009年03月31日(火) 23時32分 | | 編集

海のいるか #-

★鍵コメさん

そうだったんですか。
事情はわからないけど
気持ちはわかります。
それに、私も寄り添うことだけがいいことだとは思いません。
私も父を拒否した時、
家族を守らなければと思うと同時に父のためにならないという気持ちも強くあったんです。

子供たちにはしっかり愛情、伝えていきましょうね!!
ありがとう!

2009年04月01日(水) 12時21分 | URL | 編集

咲 #eYj5zAx6

とても考えさせられるブログでした。
お父様はとても孤独だったんでしょうね。
周りの愛情に気付けない可哀そうな方だったんですね。
でも、お父様はいるかさんとお兄さんをこの世に残してくれました。
そして身を持って愛情の大切さをいるかさんに教えてくれたのかもしれません。
お母様はいるかさんとお兄さんの存在が救いだったのでしょう。母は強いですから。
私も今、旦那より子供を愛しています。旦那にばれたら離婚モノですが(苦笑)
だからこそ、夫婦は難しい。女は愛する存在を得ることができるから強くなれるのですね。男は反面弱いと思うことありますもの。
うまく書けませんが、深おお話でした。

2009年04月03日(金) 23時29分 | URL | 編集

海のいるか #-

★咲さん

本当に女(母)は強いと思います。

私は家がこのような状態だったので
母に心配かけないよう、精一杯いい子で。
だから、私自身、甘え足りていないのです。
愛情は感じていたので
大丈夫ですが。
父のこと、私のこと。
思いをはせるたび、子供には十分な愛情と
甘えさせてやることもとても大切だと思うんです。
父はいろんなことを教えてくれたのかもしれません。

2009年04月04日(土) 09時16分 | URL | 編集

すみこ #mQop/nM.

泣いちゃいました…

私の父は他人(家族)に愛情を示そうとしない人です。
弟が生まれたとき、母に「生んでほしいなんて言ってないから勝手に育てろ」と言い、本当に家事・育児は全くしません。そのせいで母は鬱になったそうです。
今も父は家族に興味を示さないし、特に女の私は父と共通の趣味(スポーツ)もないし、会話も全然ありません。
私は父から愛情を貰ったと思えたことはありません。
なんでこんなに興味を示してもらえないんだろうな…と思って色々探していたら、このブログの記事に行きつきました。
きっと私も、将来自分の新しい家族ができたら、海のいるかさんと同じように父と暮らすことは絶対しないと思います。
親が一番しなければいけないのは、子どもにお金を与えることじゃないんです。愛情をいっぱいあげることです。
お金はたくさんくれる父ですが、私が1番ほしかったのは父親の愛です。
でもその反面、母はとても愛してくれています。
海のいるかさんが、子どもに愛情を伝えることが大切、存在自体が大切だと教えなければいけないと書かれていますが、私の母もそれをよくよく知っているのでしょう。
ただ…私は両親に深く愛されたかったです。
私が父から学んだことは、結婚するなら、子どもに目一杯の愛情を注げる人としなきゃいけないということです。子どもは親を選べませんから…。

ちょっと、涙が止まりません。
長文失礼しました。

2010年06月30日(水) 00時15分 | URL | 編集

海のいるか #-

★すみこさん

お返事遅くなってごめんなさい。

本当に子供にとって親の愛情ほど大切で必要なものはないんだと思います。
淋しい思いをしているんですね。
たぶん、お父様は愛情はもっていると思います。ただ、それを上手に表せないのではないでしょうか。
愛情をもっていても伝わらなければ意味がないんですよね。
お母様はいっぱい愛情をもっていらっしゃるということ。それは素晴らしいですね。

ごめんなさい、なんだかうまく言えません。
でも、すみこさんは愛されています。
私はそう思います。
子供って親からの愛情をしっかり受け取れないと自分には価値がないように思えてしまうんですよね。
それはとても苦しいことです。
もしも、お父様が関心を示してくれないとしても、それはすみこさんのせいではありません。
そのことだけは覚えていてくださいね。

2010年07月02日(金) 20時53分 | URL | 編集


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